STORY

2022.06.20

Wool is Cool  夏こそウールだ No.2

Wool is Cool  夏こそウールだ No.2

寝苦しい夜、
極上の眠りを楽しむために必要な寝具とは?
小野ふとん店が出した答えは、フランスウールのベッドパットです。
その理由とこだわり、商品ができるまでの
ストーリーをご紹介します。
 

夏の湿度をどう解消するか?

快適な睡眠条件は適正な温度と湿度。温度はエアコンで調整できますが、湿度は寝具で調整するしかありません。つまり、快眠の鍵を握るのは汗をかいてもムレにくい寝具。そこで、私たちは調湿性の高いウール素材のベッドパッドに着目しました。

ウールは、動物性天然素材の中で最も吸湿性の高い繊維です。ウロコ状のスケールが、湿度に呼応して開いたり閉じたりしながら調整を繰り返す「呼吸をする素材」。吸収した湿気は、毛の内部に取り込まれるため表面はサラサラの肌触り。エアコンによる体の冷えすぎも防いでくれます。

 

ウール×敷き寝具の関係

世界には約3,000種以上の羊が存在するといわれています。その毛質は様々で、掛けふとんに適した軽く柔らかいウールや、敷き寝具に適したコシの強いウールなど多種多様です。大切なのは、求められる特性に応じてウールを使い分けること。適材適所のウール選びです。

今回のベッドパッドは、睡眠中の体圧分散を担う寝具。小野ふとん店では弾力性に着目しながら、敷き寝具に相応しいウールをピックアップしました。

 

 素材の呼吸を活かす工夫

ウールの特徴である呼吸も、妨げては意味がない。ウールの呼吸を活かすには、ベッドパッドの側生地や上に被せるシーツ選びも大切です。

私たちが推奨するのは綿100%のニット素材。ニットは編み物で通気性が良く、ウールの呼吸を邪魔しません。また、水分を吸収する綿素材もポイント。汗の水分はシーツと側生地、湿気はベッドパッドが吸収して快適を保ちます。

 

 ラ・クーン種の羊毛

小野ふとん店のベッドパッドに使用しているのは、フランス産のラ・クーン種。首と背中にだけ毛を生やす珍しい羊です。

一頭から取れる毛は約0.5kg(通常の羊の1/4〜1/6程度)と希少。繊維が短く縮れ毛の強い毛は、弾力を求めるベッドパッドに最適です。また、ラ・クーン種のミルクはフランス最古のチーズといわれるロックフォールチーズの原料になります。味の良いロックフォールチーズうぃ作るために、フランスでは珍しく血統の管理がされています。

 

原毛を活かす目利き力 

原毛を活かすのは製造のスキル。ベッドパッドの製造工場では、ラノリン(油分)の適正残量や梱包のプレス加減、原毛に他種が混ざっていないかロットごとに確認するなど、海外でも工程にも目を光らせています。

「質の良し悪しは細部に出る。例えば、正しく洗浄すれば藁や汚れと一緒に匂いも落ちる。匂いが残るのは洗浄に問題がある」と話すのはウールふとん専業メーカーの社長西岡さん。創業72年の確かな腕と目利きの力で、品質管理を徹底しています。

 

 ボリュームを生む技

薄い膜状にしたウールを幾重にも重ね、暑さやサイズを調整。通常は繊維の方向を揃える工程ですが、小野ふとん店のベッドパッドは機械にオリジナルのアレンジを加えています。

繊維が短く縮れが強いラ・クーン種の毛を活かすために、繊維はあえて完全に揃えない。そうすることで独特のボリュームが生まれます。

キルティングもオリジナル。柔らかく弾力性があり、程よいボリュームが出る形状にしています。

 

ベッドパッドの開発にあたり、私たちが最もこだわったウール。それは、決して冬だけの素材ではありません。

「冬は暖かく夏は涼しいというと、矛盾しているように聞こえるかもしれません。ただ、それこそが最高の調湿性を持つウールの働き。呼吸する素材といわれる所以です。汗による湿度を吸い付くし、寝具の表面をサラッと保つ。日本のように湿度の高い風土、とりわけ夏には最適の素材です。」

ウールふとん専業メーカーの西岡社長のお言葉とともに、ぜひ今年の夏はウールのベッドパッドをお楽みください。