2023.12.08

似ているようで違っている 比べてわかる、ギャッベとチベタンラグ入門

似ているようで違っている 比べてわかる、ギャッベとチベタンラグ入門

イランを中心とした遊牧民の暮らしから生まれたギャッベは、いまや世界中で愛される絨毯の代表格。

チベットで生まれたチベタンラグは、手織りならではの風合い、美しさといったギャッベとの共通点も多くありますが、チベタンラグならではの味わいも。

シルクロードの国々を起源に、自然、風土、生活環境などの違いからそれぞれの国や地域で独自の発展を遂げてきた絨毯。

なかでもギャッベとチベタン、それぞれの魅力をご紹介します。

 

【織 Weaving】

絨毯の代表的な織り方に「ペルシャ結び」と「トルコ結び」という二つの技法があります。

イランに移り住んだトルコ系民族の絨毯をルーツとするギャッベは「トルコ結び」、チベタンラグにはペルシャ結びの変形とも言われる「チベット結び」という独特の伝統技法が用いられます。

床に直接敷いて使われることの多いギャッベは耐久性が重視されるので、トルコ結びは強さがかたや、柔らかくしなやかに仕上がるチベット結びは、寝具の代わりでもあるチベタンラグならではの織り方です。

 

【色 Color】

羊毛の素朴な色合いを生かしながら、その国の風土を表現した独特の色彩が手織り絨毯の魅力です。

化学染料が開発される前の時代に作られた絨毯には、現代に比べて原毛の色を生かしたものが多く、とくにヒマラヤ山脈に面したチベットは、標高が高く染料となる草木が少ないことから表現できる色にも限りがありました。

一方、ギャッベの生産地イランでは草木が豊富に採取できるため、彩りの豊かさが特徴です。チベタンラグも近年は化学染料を上手に取り入れ、さまざまな色のものが作られるようになりました。

 

【柄 Pattern】

チベタンラグもギャッベも、過酷な環境で生きる人々の暮らしの中で、なくてはならない生活道具として使われてきたもの。

代々にわたり長く使い続けられる家族の象徴であり大切な家財道具でもあることから、家族の繁栄や幸せを願う柄が多いのが特徴です。チベタンで最も古いものの一つが市松文様。

隙間なく続く格子柄には、悪いものを通さないという魔除けの意味があるのだとか。ギャッベにもケルマック(S字模様)やオオカミの足跡、幸せを運ぶ鳥など、魔除け柄や吉祥文様が数多くあります。

 

サイズ Size】

そもそもギャッベもチベタンラグも大きなものは少なく、寝具や座布団のように使われるチベタンラグの場合は、人の体が収まる90×180cmくらいが最大サイズ。

移動を繰り返しながら暮らす遊牧民たちのギャッベも、馬の背にす遊牧民たちのギャッベも、馬の背にがメインでした。オールドギャッベに120cm幅を超えるものがほとんどないのはそのためですが、世界中で愛用されるようになった現代では、ニーズに応じて大きなものも作られています。