STORY

2023.01.13

〈特集〉メキシコの陶器を追いかけて

〈特集〉メキシコの陶器を追いかけて

良質な土が豊富に採れることから、各地で陶芸が盛んに行われているメキシコ。魅力は独特の色使いと手書きで絵付けされた素朴さ。メキシコの人間国宝とも呼ばれるゴルキー・ゴンザレスのように世界中にファンを持つ巨匠の作品から、青空市やお土産店などで気軽に手に入る庶民的なものまで。日本ではまだまだ知る人の少ないメキシコの陶器 、テキサスでのひとつの出会いから今回の物語は始まります。

 

熟練の職人のみに許されるという繊細な絵付け。同じ絵柄でもひとつひとつ微妙に表情が違っているのも楽しい。こちらもゴルキー工房で作られたもの。

 

タヌキのような動物はメキシコから中南米に伝わる「ナワル」と呼ばれる妖怪だそう。鳥や動物など生き物のモチーフもよく描かれる。

Life with Mexican Pottery

最初に出会ったのは、かわいいカウガールの絵皿と水差しでした。

ギャッベアートギャラリーでバイヤーを務める末永さんは、8年ほど前、ご主人の赴任に伴い家族でアメリカのテキサス州へ。そこはメキシコとの国境にほど近く、文化そのものがメキシコ一色というまち。赴任期間を終え帰国が近づいた頃、たまたま訪れた雑貨屋さんの片隅で出会ったのがゴルキー・ゴンザレスの陶器でした。迷った末に選んだのは、テキサスを感じたカウガールの水差し。思い出と一緒に大切に持ち帰りました。

出会った時から部屋に飾るイメージが浮かび、帰国後すぐにキャビネットを購入したのだそう。大好きなギャッベにもしっくり馴染んでいます。今では部屋にあることが当たり前のように家族の隣に寄り添っています。