STORY

2022.04.26

イランで生きるあの人へ 私たちが知りたい17の質問 No.4

イランで生きるあの人へ 私たちが知りたい17の質問 No.4

Question.13
近年、イラン国民の宗教心に変化を感じますか?

政治経済の混乱で宗教の話になりがちですが、イスラムへの信仰心は変わっていないと思います。ただ、日本と同じように世代差はあります。若い人にお祈りの習慣はありません。ほとんど年配者。50代でも半分くらいでしょうか。

Question.14
女性の社会進出はギャッベに影響を及ぼしていますか?

ゾランヴァリ社は、親から子へギャッベの織りを継承することを推奨しています。進学する女性の増加に伴い、織り子さんが減っているのは事実であり私たちの課題のひとつです。

Question.15
インフレはギャッベに影響を及ぼしていますか?

はい。インフレでギャッベの生産コストは年々上昇しています。加えて、コロナ禍の影響も大きい。ギャッベをはじめとする手織り絨毯は、今後ますます貴重なアイテムとなるでしょう。

Question.16
どうやって織り子さんを確保していますか?

織り子さんへの公正な賃金や労働条件は契約の大前提です。まず、糸はすべてゾランヴァリ社が支給。織り子さんの育成とクオリティ維持のために、練習用に織った商品も全て買い取っています(ゾランヴァリとは別のブランドとして販売)。私たちは、織り子さんへの待遇と織りを継承するためのサポートを惜しみません。

Question.17
企業が生き残るために必要なものはなんでしょうか?

環境や人権も含めて、自らの事業活動の結果に責任を持つことです。今は、社会的責任が強く問われる時代。責任放棄は社会的批判の対象になります。ゾランヴァリ社では、Label STEPのフェアトレードパートナーの認定、OEKO-TEX®スタンダード100の証明書授与などを通じて、自社の責任を示しています。

Interviewer〈ハミッド・ゾランヴァリ〉

創業者でギャッベを見出したゴラムレザ・ゾランヴァリ氏の次男。ゾランヴァリ社の現社長。伝統を大切にし、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界にギャッベを広めている。